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不動産を高く売るにはどうすれば良いか?

不動産投資は物件を売却までしてひと巡りです。その最終段階である売却を経て、はじめてその物件でいくら収益を得たかがわかります。不動産投資に限らず、誰でも手持ちの不動産は高く売りたいものです。それは収益物件でも同じこと。実は収益物件の場合、高く売る方法がいくつかあるのです。今回は投資用不動産を高く売る方法についてご紹介します。

 

収益物件の売却価格は利回りで決まる

そもそも収益物件の売却価格は年間収益から年間費用を引いたである純収益(NOI)と利回り(NOI利回り)で決まります。その式は次のとおりです。

物件価格=純収益(NOI)÷利回り(NOI利回り)

つまり、純収益部分を増やすか、利回りの数字を小さくすれば物件価格が上昇する理屈です。この他にも長期的に収益が安定することがわかっていれば、価格が上昇することがあります。

 

不動産価格を上昇させる方法

不動産を高く売るには、その不動産の価値を高めることが重要です。その価値の高めかたには多くの方法があります。不動産そのものの価値を向上させる、稼働状況を改善する、などです。不動産価格を上昇させる方法を会得してなるべく高く売却できるように準備しておきましょう。

満室稼働で売却

まずは稼働率をできるだけ上昇させることです。満室稼働が望ましいですが、大型物件の場合は多少空室があっても構いません。稼働率があがれば賃料収入が増え、その分収益も向上します。見栄えの面でも稼働率70%で売却するのと、95%で売却するのでは印象も異なるものです。売却を考えた場合には、稼働率の向上を意識しましょう。

金利の低いときに売る

利回りの計算方法のひとつに、市中金利に不動産のリスク(リスクプレミアム)を加算する方法があります。不動産のリスクが一定であれば、金利が低いほうが利回りは下がるのです。現在は歴史的にみても低金利が続いています。長い目で見れば、今が売り時ともいえるのです。

クリーニングや清掃をして売却

物件自体の見栄えも大事です。買主は現地を調査したり、内覧したりするもの。その時にみすぼらしい姿ではとても買い手はつきません。あまりお金をかけずにクリーニングや清掃をするだけでも印象はかなり変わるものです。「値段や築年数の割にはきれい」との印象を植え付ければ評価も上がります。逆に空き室のポストに投函チラシがたまっていたり、廊下にホコリが積もっていたりするとマイナスポイントです。日々の管理や日常の清掃も重要になってきます。

大規模修繕が到来する前に売却

分譲マンションの場合、管理組合が長期修繕計画を策定しています。賃貸マンションでもこれに準じておよそ築15年くらいから行なう必要があるのが、大規模修繕です。当然ながら大規模修繕にはそれなりの費用がかかります。築15年を超えると、大規模修繕を見越して値段は下がるもの。これを防ぐには大規模修繕の前に売却するのです。

地価の上昇期に売る

地価が上昇する時期には、不動産の取引も活発になります。こうなると需要と供給の関係から利回りは低下していくのです。利回りの低下は物件価格の上昇を促します。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で取引は下火ですが、これまで何年も上昇傾向で推移していました。ここ数年の地価上昇期であれば、売却には最適の時期といえます。

収益物件に強い不動産業者を探す

日本には多くの不動産業者がいるものの、収益物件の売買に長けている不動産業者は多くありません。各不動産業者には、それぞれの得意分野があります。新築戸建住宅が得意な不動産業者に収益物件を任せても高値では売れません。やはり、収益物件を得意な不動産業者を探して依頼するようにしましょう。楽待や健美家などで探すのもよいですし、物件所在地の近くで得意な業者を探すのも一案です。

 

まとめ

収益物件の場合、利回りやキャッシュフローの多寡で価格水準がある程度決まります。ただ、そこからのプラスアルファの部分はオーナーの努力で左右できる部分です。例えば100万円かけて修繕をして200万円高く売れれば、優れた投資になります。どれが最善の策かは物件次第です。その最善の策を探し出し、少しでも高く売却しましょう。