• 管理・運営

340

増える築古物件とリノベーションを見越した不動産投資戦略

早速ですが、下記のグラフをご覧ください。

下記は「国土交通省 住宅関連データ」を基に「将来の新築着工戸数予測は持家・貸家・分譲の推移を生産年齢人口の減少、居住地移動率、消費者物価指数によって算出した」ものです。

新築着工棟数の減少

近年の新築着工棟数の減少、また皆様もご存知の通り、日本は人口だけでなく世帯数も減少に転じた(H30国勢調査より)ため、中古物件が市場に増加傾向にあります。

もともと新築信仰の強い日本の国民性においても、今後中古物件の人気が出て、新築プレミアムの価値が下がる、、などということも起こりうるかもしれません。

そのため、今後みなさまの賃貸経営において、中古物件の活用に重きをおいた不動産投資戦略が必要になっていくと考えられます。

今回は「中古物件の活用」が進む日本国内において、中古+リノベーションの不動産投資戦略についてお話したいと思います。

 

市場には築古物件が7割以上!?築古物件を活用した不動産投資戦略

よく、「リノベーションで入居者ニーズに合った室内に変えましょう」と言っても、オーナー様の中では「この間アクセントクロスを入れたよ」という方や「ちょくちょくリフォームは実施しています」というように、リフォームをすると言っても原状回復の範囲内で行っているオーナー様は多く存在いたします。

今回お話させていただくお話は「中古+リノベーション」であるため、大幅な改装をし、家賃アップを狙っていくことを中心にお伝えいたします。

簡易的なリフォームや現状回復程度だと、入居者が決まらない中途半端なリフォームになってしまうことなどが起こります。

 

それでは、中古物件の活用に当たって、どういった条件の物件をリノベーションすることが好ましいかについて考えていきたいと思います。

下記は市場に存在する「築年数別の空室物件」についてまとめたものです。

(国勢調査で空室の築年数別の構成比は出ていないためアンケートの結果となります)

空家の約7割が築40年以上(昭和55年以前に建築)のもので、市場には築古の物件が多く溢れていることが分かります。

そのため、こういった物件をお持ちのオーナー様は多く存在し、逆にオーナー様視点で見ると競合物件の多数は築古物件であると言えます。

新築物件が減っていく市場において、今後はこういった築古物件の活用を進めていくことが求められていくため、これくらいの築年数周辺の物件をまずはリノベーション候補にいれましょう。

 

築古物件を活用する際に抑えたいこと

①立地を何よりも気を付ける

築古物件を活用する際に気を付けたい点としては、「客付が見込める立地であるか」という点です。

いくら築古物件の活用が必要といっても、あまりに辺鄙な土地にある物件を再生してもなかなか客付が難しいと言えます。そのため、首都圏にある物件が望ましいと言えます。

ただし、この後お話をさせていただきますが、しっかりとターゲットを明確にした上でリノベーションを実施すれば首都圏以外の築古物件の活用も可能となります。

また、立地を選定する際に使用する指標としては「駅別の乗降客数(推移)」「地価公示価格(地価上昇率など)」などを見ていただくと良いかと思います。

 

②ターゲットの明確化

郊外単身向け、都心部ファミリー向け、法人向け、外国人向けなど、賃貸経営においては様々なターゲットが存在します。

まずはしっかりとターゲットを定めた上で、そのターゲットのニーズを満たした物件作りを行うことが重要です。

下記はターゲット別の貸し方を整理したものです。

みなさまがお持ちの物件のターゲットがどこか?しっかりと考えた上で対策を考えましょう

市場が成熟化する中で、より専門性の高い賃貸貸しが今後求められていくと考えられます。

当然、どのターゲットにも賃貸の貸し方は残るかと考えられますが、期間別にも多様化する中で、オーナー様ご自身がお持ちの物件のターゲットの明確化、そして貸し方について考えていただけますと幸いです。