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貸付金利と預金利率は過去50年でどのように変化しているか?

日本は現在、かつてない「低金利時代」に入っています。

日本銀行が景気対策として行っている金融緩和政策が影響しており、金融機関へ預金しても利子が少ない一方で、かなり低い金利で借入できるメリットがあります。

不動産投資を行う人にとっては、ローンを組んで不動産を購入しても、返済による金利が少なくて済むため、投資のハードルは比較的低い時期といえるでしょう。

ところで貸付金利や預金利率は、過去50年でどの程度変化があったかご存知でしょうか?

今後の金利の動きを予測するためにも、今までの金利の推移を知ることは非常に重要ですが、把握していない人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、過去50年の日本の貸付金利や預金利率の変化について、詳しく解説していきます。

 

日本の貸付金利と預金利率の現状

初めに日本の貸付金利と預金利率の現状を見ていきましょう。

冒頭でもご説明したように、現在の日本は低金利時代となっています。

近年の預金利率の数値を見ると、普通預金は0.001%、定期預金は0.015%前後となっておいます。

かなり低い利率となっていますが、銀行へ貯金しても資金はほとんど増えないということは、すでに一般常識化しているのではないかと思います。

貸付金利に関しては、ローンの種類によって金利の大きさが異なりますので、こちらも全体的に低金利になっています。

もっとも分かりやすい住宅ローンのケースで考えてみましょう。

住宅ローンの金利は金融機関によってやや差はありますが、基準金利は変動金利の場合2%前半、固定金利の場合2%後半が平均値となっています。

ただし、各金融機関が独自の条件で基準金利以上の引き下げを行っているケースが多く、実際には0.5%を切るほどの低金利で貸し出していることも多くなっています。

30年ほど前のバブル景気の時代においては、住宅ローンの基準金利は8%が平均となっていたため、この30年の間でかなり金利が引き下げられたことが理解できます。

 

日本の50年間における貸付金利と預金利率の推移

日本がかつてない低金利時代に入っていることは理解できたかと思いますが、では、ここ50年間で貸付金利と預金利率がどのように変化してきたのか、具体的に見ていきましょう。

以下は民間金融機関の住宅ローン金利推移を表すグラフです。

出典:住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」より転載

 

37年前の1984年からのデータですが、当時の住宅ローンの金利は8%を超える高い水準にあったことが読み取れます。

その後、1990年代に入ると大幅に下落し、1990年代後半以降は変動、固定を含め年2~4%で推移しています。

これは、1990年代半ばに起こったバブル崩壊を受け、日本銀行が金利引き下げによる金融緩和政策に乗り出したことが影響しています。

では上のグラフにない1984年以前はどうだったかというと、こちらについては1970年以降の日本銀行のプライムレートの推移(日本銀行のホームページより閲覧可)を見てみることで、状況がわかります。

数値を見ると、1970年~1995年までは5~9%ほどで推移していましたが、2000年代に入ると1~2%代になり、近年では1%を切る年も出てきています。

やはりバブル崩壊前と後で大きく変わったことがわかります。

 

預金利率に関しても、同様の傾向があります。

現在の日本の預金利率はかなり低い数値ですが、1970年代頃は4%ほどの利率があり、銀行への貯金で資金を増やすことも十分に可能な状態でした。

しかし、こちらもバブル崩壊の影響により、1990年代半ばに入ると急落し、1%を切るようになりました。

以上のことから、バブル崩壊前と後で、日本における貸付金利と預金利率に大きな変動があったことがわかります。

 

まとめ

低金利時代といわれている現在の日本ですが、過去50年間の推移を見ると、バブル崩壊が大きな転機であったことが理解できたかと思います。

今後、景気の変動により金利が上昇していく可能性はありますが、バブル崩壊前に水準に戻ることは考えにくい状況です。

とはいえ、不動産のように大きな金額を扱う投資においては、少しの変動が大きな影響を与えますので、注意深く見ていく必要があります。

本記事が不動産投資を始める人の一助になれば幸いです。