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不動産投資が原因で家が買えなくなる!?知っておくべき不動産投資ローンの知識

不動産投資を行う人の多くは、ローンを組んで不動産を購入します。

投資用不動産を現金一括で購入するには、豊富な資金が必要になるため、高所得者でなければ困難だからです。

またローンを組むことでレバレッジ効果が得られたり、団信に加入できたり、様々なメリットがあることも理由のひとつです。

ところで投資目的の不動産を購入すると、住宅ローンが組めなくなるという話を聞いたことがないでしょうか?

もし不動産投資を行うことで住宅ローンが組めなくなるなら、一軒家やマンションの購入も難しくなってしまうので、多くの人が気になる点ではないかと思います。

そこで今回は住宅ローンが不動産投資に与える影響について、2020年4月の法改正を踏まえながら解説していきます。

 

投資目的の不動産は住宅ローンで購入可能!?

 

そもそも投資目的の不動産を購入する場合、住宅ローンは利用できるのでしょうか?

この点を考えるためには、まず住宅ローンを組むための条件を理解する必要があります。

具体的には以下の条件があります。

・居住を目的とすること

・投資が目的でないこと

つまり投資用不動産の購入においては、住宅ローンは利用対象外です。

もし居住用であると偽って投資用不動産を購入してしまうと、最悪の場合、詐欺罪に問われる可能性もありますので、絶対に行ってはいけません。

ローンを組んで投資用不動産を購入する場合は、「不動産投資ローン」というものがありますので、基本的にはこちらを利用します。

なお、不動産投資ローンは、住宅ローンに比べて審査基準が厳しく、金利も高めです。

審査の際は、給与所得などの返済能力よりも、投資の採算性や収益見込みが重要視される傾向があり、住宅ローンの場合と異なる点が多いので注意しましょう。

 

不動産投資ローンと住宅ローンの併用は可能?

 

では不動産投資ローンと住宅ローンの両方の利用は可能なのでしょうか?

たとえば不動産投資を行っているサラリーマンが、住宅ローンを組んで居住用の一軒家やマンションを購入できるのか、疑問に思う人は多いと思います。

結論としては、不可能ではありませんが、利用しづらい仕組みになっています。

基本的に住宅ローンを組む場合、契約者の年収の6~7倍くらいまでが借入可能枠の上限であり、枠以上の借り入れはできません。

実際にここ数年の「首都圏の住宅価格と年収倍率の乖離」データで見ると、6~7倍の枠内で収まっていることがわかります。

 

【首都圏の住宅価格の年収倍率の推移】

平成

25

26

27

28

29

30

年収(万円)

782

775

786

806

818

802

マンション

価格(万円)

4,929

5,060

5,518

5,490

5,908

5,871

年収倍率

6.3

6.5

7.0

6.8

7.2

7.3

床面積(㎡)

70.8

71.2

70.8

69.2

68.8

67.6

建売住宅

価格(万円)

4,578

4,713

4,789

4,970

4,833

5,168

年収倍率

5.9

6.1

6.1

6.2

5.9

6.4

敷地面積(㎡)

124.6

127.1

126.1

124.3

126.0

124.1

床面積(㎡)

99.8

99.7

99.8

99.3

99.6

99.2

国土交通省「平成30年度 住宅経済関連データ」より作成

 

そして不動産投資ローンと住宅ローンの2種類のローンを組む場合、一方のローンで借り入れた金額が、もう一方のローンにおける借入可能枠から差し引かれます。

つまり一方のローンで高額の借り入れをしてしまうと、その分もう一方のローンで借り入れできる金額が少なくなるため、かなりの高所得者でなければ併用しにくい仕組みになっているのです。

 

フラット35を利用した方法

 

上記のような問題があり、不動産投資ローンを利用している人が、通常の住宅ローンを組むのは困難でしたが、従来までは住宅ローンにフラット35を利用すれば、うまく両立していくことが可能でした。

フラット35は、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している住宅ローンで、最大35年の長期固定金利が可能です。

フラット35では、他の住宅ローンと違い、不動産投資で得られる所得(家賃収入など)を年収に加算できます。

そのうえで、フラット35の年間返済額の割合が、年収400万円未満は30%まで、年収400万円以上は35%までを上限にローンを組むことが可能です。

実際に計算式で表すと、以下の通りです。

 

・フラット35の年間返済額/年収+不動産所得<0.35または0.3※

※年収400万円以上の場合は0.35、年収400万円未満の場合は0.3

 

この条件を満たせばローンが組めたため、不動産投資ローンを利用している人でも、比較的多くの借り入れが可能でした。

ですが、2020年4月の法改正により、この点が変更になりました。

 

2020年4月の法改正による影響

 

改正後、年間返済額の割合について、分子は「フラット35の年間返済額」ではなく「すべての借入の年間合計返済額」となりました。

つまり計算式で表すと、以下のような形になります。

 

・すべての借入の年間合計返済額/年収+不動産所得<0.35または0.3

 

実際に不動産所得50万円、年間返済額150万円の投資用不動産ローンを組んでいる年収700万の人が、年間返済額120万円のフラット35を利用する場合で計算すると、改正前と改正後において違いが生じます。

 

改正前

120万円/700万円+50万円=0.16

改正後

120万円+150万円/700万円+50万円=0.36

 

改正前の場合、年間返済額の割合が35%未満ですので問題ありませんが、改正後の場合35%を超えてしまっています。

つまり改正後ではこのパターンのローンは組めないという結論です。

比較的オーソドックスな事例として考えましたが、借り入れ可能額が大幅に少なくなったことが理解できたかと思います。

 

まとめ

 

ここまで住宅ローンが不動産投資に与える影響について解説してきました。

後先を考えないまま、無理な不動産投資ローンを組んでしまうと、最悪の場合、家を購入できない状況に陥ってしまう可能性があります。

ぜひ今回紹介した内容を参考にしていただき、計画的な資産運用をしていきましょう。