
不動産投資でワンルーム投資が儲からない4つの理由とその対策
不動産投資のジャンルの中にワンルーム投資があります。ワンルームマンションの1室を購入し、これを賃貸に出すスタイルです。少ない投資額で始めることができ、不動産投資初心者にも人気となっています。ところがこのワンルーム投資、実は儲けることが難しい投資のひとつです。今回は不動産投資でワンルーム投資が儲からない理由を調べてみました。
目次
ワンルーム投資が儲からない4つの理由
販売業者のサイトを見ると、初心者向けで簡単なワンルーム投資はすぐにでも収益があがるように記載されています。ただ、これはワンルーム投資のメリットしかみていません。一方、ワンルーム投資が儲からない大きな理由は、購入者がワンルーム投資の特性を理解していないことにもあります。ワンルーム投資が儲からない理由、その落とし穴について4つにまとめてみました。
単身者は退去が早い
ワンルームマンションに入居する単身者は入居期間が短い傾向にあります。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が発行している「日管協短観2019年度上期」によれば、単身者の入居期間で最も多いのは2年から4年です。入居期間が短いため、常に空室のリスクがつきまといます。
【平均入居期間】
|
一般単身 (学生除く) |
一般ファミリー |
1年未満 |
0.7% |
- |
1~2年 |
8.1% |
0.7% |
2~4年 |
60.4% |
19.7% |
4~6年 |
27.5% |
62.6% |
6年以上 |
3.4% |
17.0% |
※四捨五入の関係上100.0%になっていない
空室率が100%か0%
ワンルーム投資は1室ごとに売買されています。一棟のアパートやマンションのように複数の住戸があるわけではありません。複数のワンルームマンションを持たない限り、空室率は0%か100%かのいずれかです。このようなゼロか100かの投資は、リスクが高い投資といえます。
利回りだけで判断できない
一般にワンルーム投資は高利回りです。東京都内でも表面利回りで10%前後の物件もあります。これを一棟のアパートやマンションと比べて有利だと考えるのは早計です。その分、空室などのリスクが高くなっています。利回りが大きいのはその分リスクが高いと考えるべきです。
そもそも収益が少ない
ワンルームマンションの賃料は面積が狭い分安くなっています。東京23区内であっても10万円以下の物件があるくらいです。CHINTAI(https://www.chintai.net/)に掲載されている東京都千代田区のワンルームマンションの相場(募集賃料)が2020年11月現在で10.2万円になっています。つまり、東京23区内でも年間収入は120万円、管理費等を引くと儲けは100万円以下です。ここからローンの返済額や税金を引くと手元に残るのはさらに減ります。もともとワンルーム投資は利益が少ないのです。
ワンルーム投資で失敗しないための3つの方策
ここまでワンルーム投資が儲からない理由をお話ししてきました。ワンルーム投資は他の投資と比べて決して簡単で必ず成功する投資ではない、ということがわかります。では次に検討するのは、ワンルーム投資を成功する方法です。投資に必勝法はありませんが、その代わりに成功の確率を上げる方法は存在します。こうした成功の確率を高める方法をいくつか併用して投資に失敗しないようにするのがベターな道なのです。ワンルーム投資で失敗しないための方策をご紹介します。
不動産業者を厳選する
多くの投資物件を扱う不動産業者がワンルームの投資物件を扱っています。中には売却後のことは一切関知しない業者もいるものです。反対に費用はかかるものの、管理や再売却まで面倒をみてくれる業者もいます。初心者や経験の浅い人は面倒見のよい不動産業者がおすすめです。
家賃保証を過信しない
サブリースや一括借り上げをしてくれる業者もいます。ただしこうした契約は借り上げ家賃の水準をずっと保証してくれるわけではありません。物件が古くなれば家賃は下がるもの。ワンルーム投資に限らず、一括借り上げが問題となっている物件や業者もあります。家賃保証は便利な契約ですが、過信するのは禁物です。
長期的な視点で収支を考える
投資は最初からプラスになるとは限りません。大きなプロジェクトでもマイナスからスタートすることもあります。ワンルーム投資も同様です。常にプラスを目指すものの、ときには収支がマイナスになることもあります。一時的な収支に惑わされず、長期的な視点で収支を考えることも必要です。
まとめ
投資金額が小さいため、投資しやすくみえるワンルーム投資。しかしそこにはワンルームならではのリスクが存在することがわかりました。多くのリスクがあるワンルーム投資ですが、リスクの存在を理解し対策を講じておけば成功することも可能です。ワンルーム投資を始める段階でどのようなリスクがあるのか、きちんと把握しておきましょう。