
不動産投資を始める上で知っておきたい10種類の税金
不動産投資を始めると、様々な部分で税金がかかってきます。どこでどのような税金が発生するかを知らずに進めてしまうと、「予定より多くの納税額が必要だった」といった事態を招きかねません。そこで、本日は不動産投資を始める上で知っておきたい10種類の税金についてご紹介します。
不動産投資にかかる税金の種類
不動産投資にかかる税金をフェーズ別にまとめると、下記の通りになります。
不動産取得時にかかる税金 |
➀不動産取得税 |
②登録免許税 |
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➂印紙税 |
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不動産所有時にかかる税金 |
➃固定資産税 |
➄都市計画税 |
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不動産収入にかかる税金 |
⑥所得税 |
⑦住民税 |
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その他 |
⑧相続税 |
⑨個人事業税 |
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⑩消費税 |
物件取得時に課せられる税金
まずは、物件取得時にかかる税金について解説します。
不動産取得税
売買・贈与で不動産を取得したときに都道府県が課税する地方税です。相続により物件を取得した場合は、課税されません。
「不動産取得税額=不動産の価格(課税標準額)×税率」で計算され、2021年3月31日までは特例措置により税率は4%から3%に引き下げられています。条件を満たせば軽減措置も適用できます。
納税方法は、不動産取得後6ヵ月~1年半の間に各都道府県から送られてくる納税通知書を使用して金融機関に納付します。
登録免許税
物件を購入した場合は、抵当権を設定したり、所有権を保存したりしなければいけません。このような法的権利を得る場合に必要な税金を登録免許税と言います。
地域管轄の税務署に登録免許税を納付し、納税証明書をもらい、法務局に登記依頼をする流れになります。そのため、登録免許税に納付期限はありません。
しかし、登記をしておけば、何かトラブルがあった場合に権利を主張できるため、基本的に納税することをおすすめします。
土地 |
所有権移転 |
不動産価格の20/1,000 |
抵当権設定 |
不動産価格の4/1,000 |
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建物 |
所有権保存 |
不動産価格の4/1,000 |
所有権移転 |
不動産価格の20/1,000 |
|
抵当権設定 |
不動産価格の4/1,000 |
印紙税
不動産売買契約書など課税文書に課税される税金です。
税額は、主に契約書などに記載された金額をもとに決められた金額を納税しなければいけません。
収入印紙を契約書に貼り付けて印鑑を押すことで納付となります。
文書に記載された金額 |
税額 |
1万円未満 |
非課税 |
10万円以下 |
200円 |
50万円以下 |
400円 |
100万円以下 |
1,000円 |
200万円~500万円以下 |
2,000円 |
1,000万円以下 |
10,000円 |
5,000万円以下 |
20,000円 |
1億円以下 |
60,000円 |
5億円以下 |
100,000円 |
物件所有時に課せられる税金
次に、不動産所有時にかかる税金をご紹介します。
固定資産税
毎年1月1日時点での固定資産の所有者に対し、市区町村から課税される税金です。仮に、1月2日に所有権の移転が行われても納税義務者が変更されないのが特徴で、納税義務者が1年分の固定資産税を納付することになります。
年の途中に土地や建物を売却・購入した場合は、売買契約を取り交わす際、物件の引渡日を基準に売主・買主それぞれで日割り計算して分担するのが一般的です。
課税額は、「課税標準額(固定資産税評価額)×1.4%」で計算できますが、市町村によって異なるケースがあります。3年に1度税額は見直されるため、固定資産税は毎年同じになるとは限りません。
毎年5月に市区町村から送られてくる納税通知書で納付します。
都市計画税
都市整備などの費用に充てるために市区町村から課税される税金です。固定資産税は全国どのエリアでも課税されますが、都市計画税は都市計画区域内の市街化区域にある土地や建物にしか課税されないのが特徴です。固定資産税と同様に毎年5月に市区町村から送られてくる納税通知書で納付します。
土地 |
固定資産税評価額×0.3% |
家屋 |
固定資産税課税台帳に登録されている価格×0.3% |
所得税
不動産投資で得た家賃収入は「不動産所得」として課税対象になります。不動産所得は、他の所得(給与所得など)と合わせて課税される総合課税で、合算した金額を確定申告する必要があります。
サラリーマンなどの給与所得者の場合、会社が年末調整を行うため自分自身で確定申告する必要はありません。しかし、不動産所得については、自身で所得金額や納税額を計算して納付しなければなりません。
不動産所得=総収入金額-必要経費 |
<総収入金額に算入されるもの>
家賃、地代、権利金、名義書き換え料、更新料、礼金、保証金償却分等
<必要経費に算入されるもの>
租税公課、管理費、修繕費、損害保険料、減価償却費、借入金利子等
住民税
住民税は、家賃収入で得られる所得などにかかる地方税です。所得税を税務署に申告すれば、所得金額を基に市区町村で税額を計算します。そのため、自分で住民税の申告をする必要はありません。
不動産所得は損益通算で相殺できるため、プラスの給与所得とマイナスの不動産所得がある場合、納税額が安くなる場合もあります。
その他
その他にも、該当者であれば納めなければいけない税金があります。
相続税
投資物件を相続した場合には相続税がかかります。
「相続税=(全ての相続財産額―基礎控除)×相続税率」で計算されます。
相続税は、相続開始の翌日から10か月以内に納付する必要があります。
個人事業税
個人事業税は地方税の一種です。不動産賃貸業は第1種に該当するので、税率は5%になります。
「個人事業税=(所得税-290万円)×税率」で計算されます。
事業主控除額が290万円なので、290万円を超過した分に課税されます。
毎年8月頃に各都道府県税事務所から納付書が届くので、期限までに納税します。
消費税
居住用の投資物件であれば非課税ですが、事業用の投資物件は課税対象です。事業用物件で、年間売上高が1,000万円以下であれば、消費税の納税義務がありません。売上高が1,000万円以上になれば、課税対象になります。
まとめ
今回は、不動産投資にかかる税金について解説しました。不動産取得時・不動産所有時には様々な税金がかかってきます。事前に、おおよその金額と支払い時期について把握しておきましょう。 税金について正しい知識を身につけておけば、不動産投資のリスクも押さえられるはずです。
ぜひ、この記事を参考にして、税金について学んでみてください。