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2021年最新版!不動産投資としての民泊はコロナ後も生き残れるか

一時期は大変もてはやされた民泊。ただ、それも新型コロナウイルス感染症の影響でインバウンドが激減したことから民泊ブームも下火となっています。一方で住宅街に見知らぬ人たちがたむろすることになり、コロナ禍以前から様々な問題も起きていました。こうした民泊がアフターコロナでも生き残っていけるのか、調べてみます。

 

民泊はコロナ後も生き残れるか

新型コロナウイルス感染症が流行する前まで、増加する観光客を吸収する受け皿として、民泊の活用が検討されていました。利用していない空き家の活用策、あるいは新しい投資先として期待されていたのです。それがコロナ禍のために期待したような成果が挙げられていません。不動産投資としての民泊の現状をみていきましょう。

海外需要の激減

2020年に新型コロナウイルス感染症が世界的に流行を始めました。これにより、海外旅行者は激減しました。それは日本も例外ではありません。東京オリンピックを見込んで新築されてきたホテルも大打撃です。そしてその影響は民泊にも。海外の事例を参考に導入された民泊は海外からのインバウンドを頼りにしていました。それがほとんど見込めないまま2021年となり、東京オリンピックも終了してしまったのです。

廃業の増加

民泊を取り巻く現状も楽観視できません。廃業数も増加しているのです。2018年の住宅宿泊事業法(民泊法)施行以来、民泊戸数は増加してきました。それが2020年5月、初めて減少に転じました。時期的に新型コロナウイルス感染症の影響は否定できません。また、法の要請や需要に応えられない民泊が廃業したことも考えられます。

 

民泊の3つのデメリット

民泊にはメリットとデメリット双方があります。2021年時点ではデメリットが強くなっているのです。そのデメリットは以下の3つに集約されます。

1.新型コロナウイルス感染症の影響

2.制度や法律に左右される

3.近隣住民とのトラブルが起きやすい

さっそくみていきましょう。

新型コロナウイルス感染症の影響

利用する人がいなければ民泊は成立しません。今回のように旅行や出張に制限がかかったり、出かけることをためらったりする状況では、民泊はとても成り立ちません。一部のホテルでは2020年よりも2021年のほうが稼働率の回復しているところもあります。それでも当初の予定や事業計画よりも大幅に下回る水準です。

制度や法律に左右される

民泊は出来て間もない制度です。当初は制限も少なかったのですが、2018年に民泊法が制定されました。これによると、特区以外における民泊の年間営業日数は、180日以下と定められています。民泊に限らず、新しい制度や仕組みは急に規制が掛けられるもの。制度や法律に左右されるのは民泊の宿命なのです。

近隣住民とのトラブルが起きやすい

民泊導入当初から懸念されていた問題です。民泊の対象となるのは不動産投資で生み出された物件ばかりではありません。空き家の有効活用などもあるのです。隣の家がある日突然民泊の物件になっていた、なんてことも考えられます。深夜の騒音やゴミの排出などがトラブルの代表例です。

 

民泊の4つのメリット

民泊はデメリットばかりではありません。多くのメリットもあるのです。民泊の導入当初はメリットばかりが取りざたされていたものの、ここへきて落ち着いてきました。そもそも不動産投資として民泊は優秀なのです。そんな民泊のメリットは以下の4つになります。

1.少ない投資で始めることができる

2.空き家活用策のひとつ

3.高い収益性

4.原状回復費が発生しにくい

ひとつずつみていきましょう。

少ない投資で始めることができる

民泊はワンルームマンションの一室からも投資可能です。場所にもよりますが、数百万円でもワンルームマンションを購入することができます。こうしたわずかな不動産投資で民泊を始めることが可能なのです。不動産投資の入り口、入門編として民泊は最適な物件といえます。

空き家活用策のひとつ

民泊は何も収益を追求するだけの不動産投資のスタイルだけではありません。空き家対策のひとつでもあるのです。民泊というと住宅街の一角にあるイメージもあります。ですが、郊外の一軒家や古民家でも民泊は可能なのです。海外からの旅行者だと、こうした郊外を好む人もいます。儲け一辺倒とはいえないのが民泊のひとつの特徴なのです。

高い収益性

もちろんやり方によっては、民泊は高い収益性を得ることが可能です。民泊の場合、物件への滞在は短期がメインです。一カ月分の賃料を設定するアパートやマンションよりも割高な利用料を請求することができます。場所によっては居住用の物件よりもずっと高い利回りを得ることも可能なのです。

原状回復費が発生しにくい

物件への滞在期間が短いため、継続的に利用する居住用物件よりも劣化が起きにくいのも特徴です。民泊であれば、1グループの利用ごとに管理者が室内に立ち入ることができます。もし不具合があったとしてもすぐに発見できるのです。このため修繕費や原状回復費が少なくて済むメリットもあります。

 

コロナ後でも民泊のニーズはあるのか

民泊の中には、東京オリンピック・パラリンピックを見込んで不動産投資を行った物件もあります。ですが、その目論見は外れてしまいました。インバウンドも回復していません。旅行者がいなければ成り立たない民泊。アフターコロナにおいても民泊のニーズがあるのか、考えていきます。

インバウンドの回復はまだ先か

東京オリンピック・パラリンピックは無観客で開催されました。多くの観客を見込んでいた計画は大幅な変更を余儀なくされました。そして来日客や国内客を見込んでいたホテル業界、そして民泊も同様です。2021年8月時点では海外との行き来は大きく制限されています。この状況はしばらくは好転しません。インバウンドの回復はまだ先なのです。

需要の回復は民泊から

ただし、民泊にとって明るいニュースもあります。アメリカの報道によれば、移動が解禁されたアメリカでは、ホテルよりも民泊の需要が先に回復したのです。民泊の先進国でもあるアメリカのこうした動きは民泊にとって明るいニュースとなります。民泊は早い段階で回復できるのです。

選択肢のひとつとして民泊は定着する

現在は新型コロナウイルス感染症の影響で停滞しているとはいえ、日本は今後観光業にも注力していきます。そうなると宿泊先はまだまだ足りません。ホテル代を節約したい観光客はたくさんいます。民泊は宿泊先の選択肢として存在し続けることができるでしょう。短期的には不透明でも、長期的にはニーズがあるのが民泊なのです。

民泊の今後はコロナ禍の終息にかかっている

ホテルをはじめ、観光業は現在停滞しています。出張すら自粛せざるを得ない状況です。新幹線も本数を減らしています。このような状況が好転しない限り、民泊が回復することは難しいでしょう。結局、新型コロナウイルス感染症の影響がなくなることが観光業回復のカギとなり、民泊が再起するキーポイントなのです。ワクチン接種が始まり、新型コロナウイルス感染症への対策は徐々にですが、進んでいます。民泊の今後は新型コロナウイルス感染症の終息にかかっているのです。

 

まとめ

東京オリンピックが開催される前に新型コロナウイルス感染症がやってきてしまいました。本領を発揮できずに民泊は停滞をしています。悪いことにそれはまだしばらく続きそうな気配です。とはいえ、いつまでもこのような閉塞した状態ではありません。数カ月では無理でも、数年後には観光もできるようになります。その時に民泊の真価が問われるのです。その時を楽しみに待つことにしましょう。