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不動産投資ローンを繰り上げ返済する場合の注意点を紹介!

不動産投資を行う場合、ほとんどの人がローンを組んで不動産を購入します。

この際のローンは「不動産投資ローン」といい、マイホームを購入する際に利用する「住宅ローン」とは違った性質があります。

また、住宅ローンを返済中の人は、不動産投資ローンを組む際の条件が厳しくなるので注意が必要です。

ところで、繰り上げ返済をする際の注意点はご存知でしょうか?

ローンはできるだけ早く完済したいと思う人が多いと思いますが、繰り上げ返済はメリットばかりではありませんので、しっかりと特徴を掴んでおくことが重要です。

そこで今回は不動産投資ローンを繰り上げ返済する場合の注意点について、詳しく解説します。

 

不動産投資ローンと住宅ローンの違い

マイホーム購入時に利用する住宅ローンは、詳しい人も多いでしょう。

しかし、住宅ローンはあくまで「居住を目的とすること」が前提ですので、不動産投資においては原則として利用できません。

不動産投資においては、「不動産投資ローン」を利用する必要がありますが、住宅ローンとは違った特徴があります。

具体的には以下のような違いがあります。

 

・住宅ローンより金利が高い。

・住宅ローンに比べて審査基準が厳しい。

・審査では給与所得などの返済能力よりも、投資の採算性や収益見込みが重要視される。

 

また、すでに住宅ローンを組んでいると、不動産投資ローンを組む条件が厳しくなります。

なぜなら、ローンを組む場合、契約者の年収の6~7倍くらいまでが借入可能枠の上限であり、枠以上の借り入れはできないからです。

 

不動産投資ローンと住宅ローンの2種類のローンを組む場合、一方のローンで借り入れた金額が、もう一方のローンにおける借入可能枠から差し引かれます。

 

したがって、一方のローンで高額の借り入れをしてしまうと、その分もう一方のローンで借り入れできる金額が少なくなるため、借入可能枠の上限を超え、審査に通らないケースが出てくるでしょう。

 

すでに住宅ローンを組んでいる方は、こういった点をよく理解しておく必要があります。

 

不動産投資ローンで繰り上げ返済する場合の注意点

不動産投資ローンの繰り上げ返済には、以下の2種類の方法があります。

 

・返済期間短縮型

・返済額軽減型

 

返済期間短縮型は、月々の返済額は変わりませんが、ローンの返済期間が短縮できるため、金融機関へ支払う利息額を減らせます。

返済額軽減型は、返済期間は変わりませんが、月々のローン返済額を減らせます・

 

しかし、繰り上げ返済を行う際に、数千円~数万円の手数料を要する金融機関も多く、あまり頻繁に繰り上げ返済の手続きを行うと、損をしてしまう可能性があります。

手数料を抑えるためには、繰り上げ返済をできるだけまとめて行うことが大切です。

 

また、新たに投資用物件を購入したいと思っている方は、繰り上げ返済ばかりに気を取られていると、次の物件を購入する自己資金が足りなくなってしまう可能性があります。

 

一つの物件だけ運用していこうと考えている方は、あまり気にする点ではありませんが、将来的に複数の物件で運営を考えている方は、ある程度は余裕をもって返済計画を立てる必要があるでしょう。

 

なお、以下は住宅ローンを組んだ人の「金利上昇に伴う返済額増加への対応」のアンケート結果です。

 

引用:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2020年11月調査)」

 

住宅ローンと不動産投資ローンでは種類が違うため、あくまで参考程度ですが、繰り上げ返済に対して、どの程度の意識をもっているかが伺えます。

 

このデータでは、固定にしても変動にしても、割合としては返済継続がもっとも多くなっています。

しかし、全額返済や一部繰り上げ返済を検討している人が占める割合も、35~45%ほどになっており、金利上昇リスクに備えて繰り上げ返済を決断する人も、決して少なくないことがわかります。

 

まとめ

以上、不動産投資ローンと住宅ローンの違いや、不動産投資ローンを繰り上げ返済する場合の注意点を解説してきました。

ローンを組むと、大半の人が早く返済したいと思うことでしょう。

しかし、繰り上げ返済によるリスクもしっかりと把握することが大切です。

特に不動産投資ローンは、住宅ローンより審査が厳しく金利が高い特徴があるので、慎重に検討することをおすすめします。

本記事が不動産投資を始めたいと思っている方の一助になれば幸いです。