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不動産投資における外壁塗装の考え方

今回は不動産投資における外壁塗装の考え方について解説します。

建物の外壁塗装を行うには、高額な費用を要します。

建物の環境や塗料の種類などにもよりますが、一般的な戸建て住居における費用の相場は60〜100万円程度で、計画的に資金を積み立ててきた人でなければ、すぐには支払えない金額でしょう。

なお、外壁塗装は多くの場合、10年に1回程度の周期での再塗装が推奨されていますが、居住用物件と投資物件では、外壁塗装に対する考え方が少し異なります。

投資物件の外壁塗装を居住用物件と同じように考えてしまうと、思わぬ失敗を犯してしまう可能性があります。

そのため、不動産投資を検討している方は、居住用物件との違いをしっかりと理解しておかなければなりません。

 

建物の外壁塗装工事とは

初めに建物の外壁塗装工事について説明します。

建物の外壁塗装は年数が経過すると、剥がれたり亀裂が入ったりするため、定期的に再塗装する必要があります。

塗装が劣化すると雨漏りの発生を招くケースもあるので、遅かれ早かれ必ず実施しなければなりません。

また、一般的には10年に1回程度の周期で再塗装することが推奨されていますが、使用する塗料や建物の環境によって寿命が異なります。

主な塗料の耐用年数を以下にまとめますので、参考にしてください。

塗料名称

耐用年数

アクリル塗料

5~7年

ウレタン塗料

7~10年

シリコン塗料

9~15年

フッ素塗料

15~20年

 

投資物件における外壁塗装

 

居住用物件では時期が来た段階で再塗装するのが通常ですが、投資物件においては少し違った考え方をしなければなりません。

なぜなら投資物件においては、建物を常に良好な状態に維持していなければ、入居者の印象が悪化し、空室率の増加を招いてしまう可能性があるからです。

逆にしっかりと外壁塗装を行い、建物の美観向上や安全性の担保ができれば、空室率の改善に加え、賃料アップにも繋がることも可能です。

そのため耐用年数に達するのを待ってから行うのではなく、早い段階での再塗装が望ましいでしょう。

なお、塗装を行う際は3~5社程度、相見積もりを取ることをおすすめします。

規模の大きい建物であるほど、工事費も高額になりますが、中にはいい加減な見積もりを提示する業者もいます。

複数の会社に依頼して比較検討すれば、相場からかけ離れた金額を支払わされるリスクは軽減できますので、インターネットなどを活用して良い業者を探してみましょう。

 

外壁塗装費は経費計上できるのか

 

次に外壁塗装の費用の取り扱いについて説明します。

基本的に外壁塗装工事費は、修繕費または資本的支出(減価償却)として扱うため、経費として計上が可能です。

ただし、修繕費と資本的支出では税務上の取り扱いが異なるので注意が必要です。

以下にそれぞれの特徴をまとめます。

 

修繕費

修繕費とは建物を通常の状態で維持管理するために行う工事費を指します。

したがって現状回復を目的とする外壁塗装の場合は修繕費として計上します。

具体的には以下のようなケースが該当します

・外壁にひび割れなどが発生し劣化している場合

・台風や地震などの災害により劣化してしまった場合

・建物を維持するために必要な場合

修繕費は全額が経費になるので、その年度の確定申告の節税効果は高くなります。

しかし現金の支出を伴うのでキャッシュフローは悪化します。

 

資本的支出(減価償却)

建物の価値や性能耐久性の向上を目的とする外壁塗装を行った場合の工事を指します。

具体的には以下のようなケースが該当します。

・耐用年数が長い塗料を使用した工事

・外観の美観を向上させるためのタイルやボードを使用した工事

この場合、建物の取得原価に含まれるため、費用は一括して計上するのではなく、単年ごとに減価償却費として計上します。

 

修繕費と資本的支出の判断がつかない場合

外壁塗装に限らず、建物の工事が修繕費なのか資本的支出なのか、判断がつかないケースは多々あります。

考え方としては、前述した通り建物の現状回復を目的にする工事は修繕費、資産価値向上(リニューアル)を目的にする工事は資本的支出として計上します。

その他、以下の基準に該当する場合は、原則として修繕費として計上することを覚えておきましょう。

【少額又は周期の短い費用の必要経費算入】

・おおむね3年以内を周期とする修理または改良などである。

・一つの修理、改良などの金額が20万円未満である。

【形式基準による修繕費の判定】

・資本的支出か修繕費か明らかでない金額がある場合において、その金額が60万円未満、またはその資産の前年末の取得価額のおおむね10%相当額以下である。

※国税庁「資本的支出と修繕費等」より抜粋

 

以上内容を踏まえたうえで、資本的支出か判断がつかない場合は、税理士など専門知識を持った人にアドバイスをもらうことをおすすめします。

誤った計上をすると節税効果が得られず、不利益を被る可能性もありますので、慎重に考えるようにしましょう。

 

まとめ

ここまで不動産投資における外激塗装の考え方を説明してきました。

最後にもう一度、覚えておくべきポイントを以下にまとめます。

・外壁は一般的に10年に1回程度の塗装工事が必要

・投資物件においては早めの再塗装が望ましい

・外壁塗装工事費は修繕費または資本的支出として計上する

・修繕費と資本的支出では税務上の扱いが異なる

外壁塗装は建物の美観や耐用年数に大きな影響を与えます。

劣化が進行した段階になってから検討するのではなく、計画的に資金を積み立てていくことが重要です。