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不動産投資において重要な指標「IRR」とは?計算方法や目安となる数値を解説!

皆さんはIRRの意味や計算方法をご存知でしょうか?

IRRは投資した資金が回収できる期間を測るための指標であり、IRRを常に意識することが不動産投資で成功するためのポイントです。

しかし、IRRの計算方法や目安とすべき数値をしっかりと理解している人は少ないのではないでしょうか?

そこで本記事では、これから不動産投資を始める人に向けて、知っておくべきIRRの知識を解説します。

 

IRRとは?

IRR(Internal Rate of Return)を日本語にすると「内部収益率」となります。

投資の効率性を測る指標で、投資資金をどれくらいの期間で回収できるかを表しています。

最終的に同じ金額を回収できる投資でも、短い期間で利益を得られるほどIRRは高くなります。

不動産投資の場合、利回りだけ着目していても、変動することがあるため、望ましくありません。

キャッシュフローがプラスになる期間を測ることができるIRRは、重要な指標といえます。

IRRの数値を見れば、早期に投資資金を回収できる収益性の高い物件を見極めることができます。

 

IRRの計算方法

IRRはどのように計算するのか説明します。

計算式に表すと、以下の通りです。

 

C0 + C1/(1+r) +  C2/(1+r)2 + C3/(1+r)³  +・・・ Cn/(1+r)ⁿ = 0

 

C0:初期投資額

C1~n:n年目のキャッシュフロー総額(収益)

r:IRR

 

初期投資額とキャッシュフローの額がわかっていれば、この方程式を使うことでIRRを求められます。

C1~nの数値は、キャッシュフロー総額を表していますが、最後のCnは不動産投資を終了する年になるため、元本の返済や投資物件の売却益が含まれます。

なお、式を見るとわかるように、nの値が大きいほど分母の数値も大きくなるので、将来のキャッシュフローより、直近のキャッシュフローが評価される計算になります。

IRRではこのように将来の価値を現代の価値で表す際に、数値を割り引いて計算することになっており、この際に使用する率を「割引率」と呼びます。

人間は将来の価値より現在の価値を高く評価する特徴があり、割引率はこうした感覚を活かすための数値です。

 

IRRはEXCELで計算可能!?

しかし、前述したIRRの計算式はかなり複雑なので、自分で計算する場合、手間がかかります。

そこでおすすめなのが、EXCELシートでIRR関数を利用する方法です。

IRR関数では、初期投資からn年目のキャッシュフローの範囲を指定すれば、内部利益率の数値が出てきます。

IRR関数は引数の数も少なく、覚えやすいので、初心者でも気軽に使えるでしょう。

不動産投資を始める人は、ぜひ使いこなしたい関数です。

 

IRRの目安はどのくらい?

では、IRRはどのくらいの数値を目安にすれば良いのでしょうか?

建物の種類や投資期間によっても異なりますが、一般的な中古マンションやアパートの場合、5%程度が成功する目安とされています。

この場合、不動産を10年間保有した後、売却を行うと、50%の利益が得られる計算になります。

このようにIRRは一定期間、不動産を保有した後に売却することを前提にしているので、売却する予定がない場合は、実際に得られる利益とかけ離れた数値になるので注意が必要です。

また、10年後や20年後の売却価格を正確に導き出すのは困難で、建物の耐用年数などをもとに予想していくことになります。

売却価格は実際に売却する時期が近づくほど、明確になってくるでしょう。

したがって、IRRの数値は定期的に見直しをしていく必要があります。

 

まとめ

以上、不動産投資において重要なIRRの計算方法を解説してきました。

IRRは実際に手計算で求めるのは難しいため、まずはEXCELで導き出せるようになることをおすすめします。

また、不動産投資で成功するIRRの目安は一般的に5%程度といわれていますが、あくまで目安であり、建物の条件により事情が変わることを覚えておきましょう。

本記事が不動産投資を始める方の一助になれば幸いです